高校卒業後に就職を考えている方にとって、気になるのが初任給の金額ではないでしょうか。給与の相場は業界によって異なり、将来のキャリアプランにも大きく関わってきます。この記事では、高卒の初任給の平均額から業界別の相場、将来性のある職種まで詳しく解説します。
高卒初任給の現状と基本知識
高校を卒業して働き始める際の給与について、最新の状況と基本的な知識をお伝えします。毎年変動する給与の実態を知ることは、就職活動の重要な準備となります。
初任給の平均額と最新動向
厚生労働省が発表している令和5年賃金構造基本統計調査結果によると、高卒の平均初任給は186,800円となっています。前年と比べて3.1%増加しており、男女別では、男性が189,000円（前年比3.1%増）、女性は183,200円（前年比3.2%増）となっています。男女ともに前年度より初任給が上昇しており、平成27年から右肩上がりの傾向が続いています。
※参考：厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
手取り額の計算方法と実態
初任給として示される金額は「額面給与」と呼ばれるものです。実際に手元に入る「手取り額」は、この額面給与から所得税や住民税などの「控除」が天引きされます。一般的に手取り額は、額面給与の75%から85%程度になります。例えば、初任給が186,800円だった場合、実際の手取りは140,000円から158,000円程度です。毎月の生活費を考える際は、この手取り額を基準に考えることが大切です。
※参考：厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
手取り額の計算方法と実態
初任給として示される金額は「額面給与」と呼ばれるものです。実際に手元に入る「手取り額」は、この額面給与から所得税や住民税などの「控除」が天引きされます。一般的に手取り額は、額面給与の75%から85%程度になります。例えば、初任給が186,800円だった場合、実際の手取りは140,000円から158,000円程度です。毎月の生活費を考える際は、この手取り額を基準に考えることが大切です。
※参考：厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
大卒との違いと賃金格差の実情
同じ新卒でも、学歴による初任給の違いは存在します。大卒の初任給の平均は237,300円で、高卒の初任給と比較すると5万円程度の差があります。この差は、企業が大学で身につけた教養や経験、受験などの努力を評価しているためです。男女別で見ると、大卒の場合、男性が240,300円、女性が234,300円となっています。
※参考：厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
業界別にみる高卒初任給の相場
業界によって初任給の金額は大きく異なります。これは仕事の特性や必要なスキル、労働市場の需給バランスなどが影響しています。ここでは代表的な業界の給与水準を詳しく見ていきます。
製造業・建設業の初任給事情
厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、19歳以下の初任給では、製造業は男性189,600円、女性188,100円となっています。建設業は男性200,200円、女性226,700円となっています。製造業と建設業を比較すると、建設業の方が比較的高い水準となっています。
参考：厚生労働省｜令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況（5）産業別にみた賃金
サービス業・小売業の給与水準
厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、19歳以下のサービス業（他に分類されないもの）の給与は、男性197,900円、女性198,400円となっています。宿泊業・飲食サービス業では、男性187,500円、女性188,900円です。卸売業・小売業では、男性185,100円、女性193,900円という結果が出ています。
参考：厚生労働省｜令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況（5）産業別にみた賃金
IT・通信業界の給与動向
厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、情報通信業の19歳以下の給与は男性201,000円、女性182,600円となっています。特に男性の給与水準は、他の業界と比較して高い水準にあることがわかります。
参考：厚生労働省｜令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況（5）産業別にみた賃金
公務員の初任給制度
2023年における国家公務員の一般職の場合、高卒の初任給は192,720円となっています。地方公務員の場合は、東京都の一般行政職で183,700円（2021年4月1日現在）となっており、他の道府県でも18万円台が一般的な水準です。国家公務員も地方公務員も、給与は法律や条例によって定められています。
参考：厚生労働省｜令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況（5）産業別にみた賃金
高卒でも高収入を目指せる職種と条件
ここでは、学歴に関係なく、高い収入を得られる職種について説明します。高収入を目指すために重要なのは、実務経験やスキル、資格の有無です。
技術職・専門職の将来性
建設業の施工管理や製造業の機械オペレーターなど、技術職は高卒でも活躍できる分野です。特に人手不足が深刻な業界では、技術を持った人材の需要が高く、給与も比較的高水準です。
建設現場では、施工管理技士の資格を持っていることで大幅な給与アップにつながります。製造業では、品質管理や設備保全など、専門的な知識と技術が求められる職種があり、経験を積むことで待遇が改善されていきます。
資格取得によるキャリアアップ
公認会計士や建設業の資格など、高卒でも取得できる国家資格は多く存在します。資格を持っていることは、給与アップの大きな要因です。特に建設業界では、玉掛技能者や足場の組立て等作業主任者など、様々な資格に応じた手当が用意されています。
IT業界でも、情報処理技術者試験などの資格保持者は高い評価を受けています。資格取得を支援する制度を持つ企業も多く、働きながらスキルアップを目指すことが可能です。
営業職のインセンティブ制度
営業職は基本給に加えて、売上に応じた報酬（インセンティブ）が得られる場合が多いです。特に不動産業界や保険業界では、成果が給与に直結しやすい仕組みになっています。
新人でも努力次第で高い収入を得られる可能性があり、実力主義の傾向が強い職種といえます。ただし、業績に応じて収入が変動するため、安定性を重視する場合は注意が必要です。
初任給以外の重要な選択ポイント
給与以外にも、仕事を選ぶ際の重要な要素があります。長期的なキャリア形成を考える上で、これらの要素も慎重に検討する必要があります。
昇給制度と賞与の仕組み
初任給の金額だけでなく、昇給制度や賞与の有無も重要な検討ポイントです。定期的な昇給がある企業や、業績に応じて賞与が変動する企業など、制度は様々です。賞与の支給回数や支給月数、昇給の時期や金額の基準なども、企業によって大きく異なります。人事評価制度が整備されており、頑張りが適正に評価される環境かどうかも重要です。
福利厚生と働き方の特徴
社会保険の完備や住宅手当、家族手当など、福利厚生も給与と同様に重要です。また、残業の多さや休日の取得しやすさなど、働き方の特徴も考慮すべき点です。
寮や社宅制度がある企業も多く、特に地方から都市部へ就職する場合は、大きなメリットとなります。社員食堂や保養所、レクリエーション施設の利用など、生活面でのサポートも企業選びの重要な要素となります。
研修制度とスキルアップ支援
新入社員研修や資格取得支援など、人材育成に力を入れている企業も多くあります。長期的なキャリア形成を考える上で、こうした制度の有無も大切な選択基準となります。
資格取得に必要な費用を会社が負担したり、通信教育の受講料を補助したりする制度もあります。また、社内でのキャリアアップ制度が整備されているかどうかも、将来の成長を考える上で重要です。
高卒就職における初任給の考え方
初任給をどのように捉えるべきか、考え方を解説します。将来を見据えた判断基準を持つことが大切です。
初任給の見方と比較のポイント
初任給の額面だけでなく、実際の手取り額や各種手当の内容まで確認することが大切です。また、同業他社との比較も、適正な水準を知る上で重要です。給与明細の見方や、手当の計算方法なども理解しておく必要があります。残業代の計算方法や、休日出勤の手当など、実際の勤務に関連する部分も確認しておきましょう。
将来を見据えた企業選びのコツ
給与だけでなく、昇給制度や資格取得支援など、長期的な視点での待遇を確認することが重要です。また、企業の成長性や安定性も、将来の収入に関わる要素となります。社員の平均年齢や勤続年数なども、企業の特徴を知る重要な指標です。社内での昇進・昇格の仕組みや、キャリアパスの例なども参考になります。
給与交渉の可能性と時期
多くの企業では初任給は定められた金額となりますが、入社後のキャリアアップに応じて給与交渉の機会が設けられています。人事評価の時期や昇給のタイミングを把握しておくことも大切です。資格取得や業務実績など、給与アップの条件も事前に確認しておくとよいでしょう。
まとめ
高卒の初任給は業界や職種によって大きく異なり、近年は上昇傾向にあります。初任給だけでなく、昇給制度や福利厚生なども含めて総合的に企業を選ぶことが大切です。ReFeelでは、高卒の方向けの求人情報も多数掲載しています。興味のある業界や職種の求人情報をチェックして、自分に合った仕事を見つけてみてください。