「高校を卒業したら警察官になりたい」
男女ともに、警察官志望の人は多いのではないでしょうか?
ただ、そもそも自分は警察官に向いているのか、どうやって警察官になればいいのか、悩みはたくさんあると思います。
この記事では、そんな悩みを持つあなたのために、高卒で警察官になるための試験内容やその対策まで、詳しく紹介します。
ぜひ、最後までご覧ください。
高卒で警察官になれます!
高卒だけど、自分は警察官になれるのか、と不安になる人もいるかもしれません。
結論から言うと、高卒でも警察官にはなれます。
そもそも警察官には、「警察庁に所属する警察官」と、「各都道府県の警察本部に所属する警察官」の2種類が存在します。
警察庁に所属する警察官の受験資格は、大卒か大学院卒がほとんどです。
通常、高卒の場合は、都道府県の警察官を目指すのが一般的で、地方公務員扱いになります。
警察官の採用試験の受験条件
警察官の採用試験には、以下のような受験条件が存在します。
- 年齢
- 学歴
- 受験できない要件
宮城県の令和6年の採用条件を基に、それぞれ詳しく見ていきましょう。
年齢
まず1つ目の受験条件は、年齢です。
年齢は、Ⅰ類とⅢ類の2つに分けられます。
- Ⅰ類(大学卒業程度):受験する年に34歳以下、または35歳になる人のうち、4月2日以降が誕生日の人
- Ⅲ類(高校卒業程度):受験する年に34歳以下、または35歳になる人のうち、4月2日以降が誕生日の人
性別は、男女ともに平成元年4月2日以降に生まれた人でなければなりません。
参考記事:警察官A採用試験
学歴
2つ目の受験資格は、学歴です。
学歴も、Ⅰ類とⅢ類の2つに分けられます。
Ⅰ類(大学卒業程度)
- 大学を卒業、または翌年3月までに卒業見込みの人
- 大学卒業程度の学力を有する人
Ⅲ類(高校卒業程度)
- 高校を卒業、または翌年3月までに卒業見込みの人
- 高校卒業程度の学力を有する人
学校教育法による大学(短期大学を除く)の卒業者、もしくは令和7年3月31日までに卒業する見込みの人、またはこれらと同等以上の経歴を有すると認められる人です。
※高度専門士の称号を取得または令和7年3月31日までに取得
受験できない要件
最後3つ目は、年齢や性別が要件を満たしていても、以下に該当すれば受験できません。
- 日本の国籍を有しない人
- 禁錮以上の刑に処されて、その執行を終わるまでに、またはその執行を受けることがでなくなるまでの人
- 宮城県職員として懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から2年を経過しない人
- 日本国憲法またはその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党を結成し、又はこれに加入した人
- 平成11年改正前の民法の規定による準禁治産の宣告を受けている人(心神強弱を原因とする人を除く)
自分は該当しないか、事前に確認しておくと良いでしょう。
高卒で警察官になる流れを紹介
都道府県の警察官の採用試験は、自治体ごとに採用条件や試験の内容が異なります。
具体的には、高卒で警察官になるためには、以下のような流れが必要です。
- 第一次試験
- 第二次試験
- 採用後は警察学校
では、それぞれ詳しく紹介していきます。
第一次試験
まずは、第一次試験についてです。
そもそも、警察庁の採用試験は、第一次試験と第二次試験に分かれており、第一次試験は、筆記試験や資格経歴などの評定・第一次適性検査の3つの科目で実施されます。
筆記試験の科目は、教養試験や論(作)文試験、国語試験の3つです。
では、具体的にその内容を説明します。
教養試験
- 知能分野:文章理解、判断推理、数的処理、資料解釈、図形判断
- 知識分野:人文科学、社会科学、自然科学、一般科目(国語・英語・数学)
論(作)文試験
- 課題式(出題は1題)
国語試験
- 五肢択一式(出題数は50題)
資格経歴などの評定
- 柔道や剣道などの実績、情報処理などの国家試験、TOEICや英検など、さまざまな分野で保有している資格や経歴を申請し、評価されれば成績の一部にできる
第一次適性検査
- 記述式で警察官としての適性を測る
第一次試験では、警察官に必要な一般教養や国語力についての内容が問われます。
第二次試験
次は、第二次試験についてです。
第二次試験では、面接試験や身体検査、体力検査、第二次適性検査が実施されます。
面接
- 提出したカードの内容を中心とした質疑応答
身体検査
- 身長体重測定や視力、色覚、聴力、運動機能、血液、尿、レントゲンなどの検査
体力検査
- 腕立て伏せやバーピーテスト、職務の執行に必要な体力の有無を検査
第二次適性検査
- 記述式の検査で警察官としての適性を測る
第二次試験では、事前に氏名などの基本情報を記載した面接カードを提出した上で、行われます。
採用後は警察学校
試験に合格し、警察官に採用されると、警察学校で基礎的教養訓練を受けることになります。
この期間は学歴によって異なり、高卒の場合は10ヶ月間です。
研修中は全寮制で同期生と共同生活を送り、一般教養や警察実務、法学、術科など警察官としての心構えを習得します。
研修が終了すると警察署に配属され、その後、自動二輪車(白バイ)乗務員養成講習や鑑識実務研修などのさまざまな研修や教育試験で、知識や技能を学ぶのです。
高卒で警察官になるためには
高卒で警察官になるために必要なのは、以下の3つです。
- 出題分野を勉強する
- 面接対策
- 追加加点になる資格を取得しておく
では、それぞれ詳しく紹介していきます。
出題分野を勉強する
まず必要なのは、以下の出題分野を勉強することです。
- 社会科学
- 人文科学
- 自然科学
- 文章理解
- 判断推理
- 数的推理および資料解釈
勉強方法は人それぞれですが、独学で勉強しても良いですし、予備校に通うという方法もあります。
それぞれメリットとデメリットが存在し、独学の場合は、そこまで費用もかからず自分のペースで学習できますが、モチベーションを維持するのが難しいでしょう。
予備校の場合は、模擬試験や面接の練習ができ最新の情報が得られますが、その分費用は大幅にかかります。
それぞれのメリットやデメリットを把握した上で、自分に合った学習方法を見つけましょう。
面接対策
次に必要なのは、第二次試験で行われる面接対策です。
採用試験では、自己PRや志望動機、最近のニュースに関して聞かれることも多いため、よく聞かれる質問に対しては事前に答えを用意しておくと良いでしょう。
さらに、地元以外の自治体の警察官に応募する場合は、そこを選んだ決めてや理由なども、きちんと答えられるようにする必要があります。
通常、事前に提出した面接カードを中心に質問されるので、カードに記載した内容に関しては、特にしっかりと答えられるようにしておきましょう。
追加加点になる資格を取得しておく
最後に必要なのは、追加加点になる資格を取得しておくことです。
具体的には、以下のような資格を取得しておくと良いでしょう。
- 柔道(初段以上)
- 剣道(初段以上)
- 語学(英語・中国語・韓国語)
- 財務(簿記検定試験、簿記能力検定試験など)
- 情報処理試験(ITパスポート、情報セキュリティマネジメント試験など)
それぞれの資格を証明するために、段位証明や合格証明書の原本が第一次試験当日必要になるので、事前に準備しておきましょう。
また、複数の資格を所有していても、加点される資格は1つなので、いずれか1つを申請してください。
警察官に向いている人の特徴
自分は警察官に向いているのか、不安に思う人もいるのではないでしょうか?
警察官に向いている人には、以下のような特徴があるので、ぜひ参考にしてください。
- 正義感や倫理観がある人
- 体力がある人
- コミュニケーションが取れる人
では、それぞれ詳しく紹介していきます。
正義感や倫理観がある人
まず、警察官に向いているのは正義感や倫理観がある人です。
具体的には、「市民を守り犯罪がない世の中にしたい」という気持ちが大切になります。
さらに、普通の仕事と異なるのは、緊急時にはプライベートを犠牲にして現場に駆け付けなければならない、ということです。
肉体的だけでなく、精神的にもハードな仕事なので、モチベーションを維持することはとても重要になります。
日常生活でも、モラルが高く模範的な行動を取ることは大切で、常に市民の信頼を得るためにも見本となる行動が必要です。
体力がある人
次に、警察官に向いているのは体力がある人です。
さまざまな犯罪を取り締まるため、状況によっては犯人と格闘することもあります。
さらに、炎天下や気候が悪い中で長時間の警備にあたることもあるので、体力や運動能力が乏しいとこれらをこなせません。
新人警察官のうちは、長時間の当番勤務もあるので、体力だけでなく健康状態にも気をつけておくと良いでしょう。
コミュニケーションが取れる人
最後に、警察官に向いているのはコミュニケーションが取れる人です。
なぜ?と思う人もいるかもしれませんが、警察官の仕事はチームとして協力して進めていくものになるからです。
コミュニケーションだけでなく、協調性も大切になります。
特に、事件が起こった場合は現場の警察官だけでなく、現場を調査する監視員などと連携しなければなりません。
さらに、聞き込みをする場合には、被害者や目撃者に話を伺うシチュエーションもあるため、話を聞き出すコミュニケーション能力が求められます。
まとめ
この記事では、高卒で警察官になるための試験内容や対策について紹介しました。
警察官になるためには、学力だけではなく、体力や精神力まで求められます。
市民を守る重要な仕事だからこそ、簡単にはなれないということですね。
しかし、それだけやりがいのある仕事だと思うので、これから警察官になりたいと考える人たちは、しっかりとモチベーションを保つということを大切にしましょう。